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***よくばり***

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**バントゥール県プンドン**7月7日更新あり**

**バントゥール県プンドン**7月7日更新あり**_e0028811_21574174.jpgジャワ島地震のちょうど一ヶ月後6月27日に震源地周辺を訪れました。
道路脇で赤い果実を握り締めて立っていた老婆に引寄せられ、車を留めてお話を伺いました。






老婆は70代。詳しい年齢はわからないとのこと。息子夫婦と一緒に住んでいますが、地震で自宅は倒壊、息子夫婦に面倒をかけないように日中は道端に立って過ごしているそうです。「自宅跡地を見たいですか?」と誘われ見せてもらうことにしました。道路から300Mくらい奥へ入っていきましたが、この辺りの集落はほぼ倒壊。民家は跡形もなく瓦礫の山となっています。
老婆の自宅も、便座が残ってるだけ。屋根も壁もありません。
外部者の侵入が珍しいみたいで、村民が集まってきますが最初は敬遠して距離感がありました。日本から持って行った粉ミルクを赤ちゃんがいる家庭に配ってからは距離が縮まり、私たちは40名くらいの村民に囲まれました。「ここはテントもないし、救援物資も届かないのよ~」と言うけど、こんな状況の中でもとにかく明るい。笑いも飛び交っていました。物資は足りていると聞いていた私は粉ミルクしか持ってきていなかっため後悔。
同行者が老婆に名前と年齢を伺いインタビューしていたら、村民が次々と「私も!私も!」と名前と年齢を私たちに報告し始めた。不謹慎ですがこのやり取りが結構おもしろかった。
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みんな毎日どうやって過ごしているんだろう?とちょっとした疑問もでてきた。
このように瓦礫を車に積んで捨てに行く人もいれば、自力で自宅復興をしている人もいたり・・・。「新しい家を作ったから見る?」とある被災者に誘われて見せてもらうことに。写真下。ん~これは、自宅を作り直すと言うより、お掃除して家具を並べただけの青空部屋みたいでした。
**バントゥール県プンドン**7月7日更新あり**_e0028811_22412016.jpg「現在の生活で悩みを抱えていることはありますか?」と聞いてみると、震源地周辺に住んでいる村の人たちはある噂に悩み心配で毎晩眠れないそうです。噂とは地下で時々「ゴー」と地下水が流れる音がして、そのうち村が沈没して湖になるのでは?と言うこと。私が訪れた数日前、インドネシア政府が震源地周辺の住民に対し、「噂なので信じないように」と発表したそうです。
日が暮れかかった頃、私たちは山間部方面に2~3キロくらい入った震源地へ車で移動することにしました。
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途中車を停め1キロくらいの道のりを歩いて向いました。この辺りは森林の中に民家があります。建物は倒壊していましたが、鉄筋コンクリート製2階建て民家1軒だけが家の形を残していたのが印象的でした。
震源地は写真右下、川の辺りです。Y字の様に2つの川が合流しています。向って左側がオパ川、右側がオヨ川、合流してオパ川になります。海までは数キロとのこと。ちなみに5月27日地震発生当初、震源地はジョグジャカルタ南南西約30キロ島南岸と発表されましたがその後ジョグジャカルタ南南東約10キロの内陸部へ変更されました。
川岸は山の麓ですが見学客で何人かが訪れていました。
**バントゥール県プンドン**7月7日更新あり**_e0028811_0545116.jpg地震当日、「オパ川で釣りをしていた人が急に水かさが減った後に地震が起きたって聞いたよ」とそこに居合わせた人から聞きました。写真左の溝は地震後に出来たそうです。亀裂は深くありませんが、距離は川岸堤に沿って長かったです。これだけ地面が動いたんだと改めて思いました。草木は何もなかったかのように生え続け民家は崩壊、何とも皮肉な風景です。
6月4日に訪れたエリアとは別の被災地でしたが、途中車窓から見える風景は地震の傷跡から復興に向けての人々の瓦礫撤廃作業風景を見かけたりと日々進化している被災地。地震から1ヶ月以上経ち、日本のニュースではあまり触れられなくなってジャワ島地震ですが、一旅行客として私が見た震源地の現状を報告させていただきました。
by ngosrch | 2006-07-06 22:48 | ジョグジャカルタ